ダブルスチールベルトプレスヒートコンベヤに用いるベルトの特殊鋼について

スチールベルトのディムコ、開発営業部の中田です。

さて、ディムコ社内には、吸引吸着搬送スチールベルトコンベヤが2台、 ダブルスチールベルトプレスヒートコンベヤが1台、加熱用スチールベルトコンベヤが1台、デモンストレーション・来社テスト用として常時併設しております。

その内のダブルスチールベルトプレスヒートコンベヤは搬送領域内において加熱・加圧を同時に行える装置となっており、反りのあるワークの矯正、熱硬化性のワークの成型、熱可塑性樹脂の含浸成型、熱昇華性インクを用いた転写成型等の用途で用いられます。

その装置に組み入れられる搬送ベルトには、250℃程度の温度と2kgf/㎠の加圧が同時にかかっても、ベルトの溶接部も含めて破断しない十分な強度と耐熱性が求められます。
また、加圧を掛ける場合には、プーリとベルトが空回りせずしっかりと摩擦駆動出来るようにベルトに張力を掛ける必要が有ります。

そのような過酷な環境下で用いられるベルトはスチールベルトであり、ディムコでは鉄鋼メーカへ特注依頼した特殊鋼のバネ材を用います。

スチールベルトの最終仕上がりはエンドレス状の輪っかになるため、一部分に溶接部ができます。通常バネ材を溶接すると溶接部の引張強度は母材部に比較して30~40%減少します。しかし、その特殊鋼を使用すると溶接部の引張強度は減少せず、母材部の引張強度とほぼ同等の値を示す高強度となっています。
ちなみに、SUS304のバネ材の場合、母材部の引張強度は約1200N/㎟に対し、溶接部の引張強度は750N/㎟となってしまいます。

ベルト単品販売もおこなっておりますので、お客様が独自に構想検討されている装置にも、溶接部から破断しにくい高強度なベルトを使用してみたいという場合は、是非一度お問い合わせください。

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