極薄ステンレス製フレキシブル・シームレスベルトまたはロール基材

 技術とは、長年のいろいろな発見や実験の積み重ねであって、多くの知恵と努力、ときによっては命を代償に今に繋がってきている無形の、そして有形の人間の所産だとつくづく思い至ったことがあります。

 それは、わが社が世界初の極薄ステンレス製のシームレスベルト(またはロール基材)として今年の4月にセンセーショナルに業界にデビューすることに成功しましたが、長年の研究開発が終了しての気付きでした。

 この成果に自分だけで漕ぎ着けたのでなく、いろいろな方々からの技術情報に基づき、あちこちの技術知見の高い方々のアドバイスと、実際のものづくりにおいての、まさに匠の世界の方々で、数値制御の精度を超越した手や指の感触をもつ職人さんにより、薄肉塑性加工の従来常識を突き破った創業25年目になるわが社が暖めてきた夢そのものでありましたがいよいよ形になったのです。


ステンレス薄肉ロール基材


 この継ぎ目のない、厚みをはじめ、外形寸法のみならず、軸方向の直線性や真円度などが相当高精度に出来上がっている形状と機能をフルに活用し、従来にない、金属ロールどうしのソリッドな線接触からフレキシブルな面接触が可能となり、液晶表示装置の中や有機EL、電子ペーパーなどの高機能フィルムの押し出し成形、急冷却搬送、ラミネーティング工程などにその極薄のフレキシブル性を生かしたスチールベルトやロールとして活躍が始まります。
 
 また光学フィルム以外の業界から熱い期待も受け止めています。
 リチウムイオン電池などにもポリマーフィルムがあり、プリンタブルエレクトロニクスやラージエレクトロニクスとしての電子材料の薄膜フィルムの高密度な熱圧着など今後、日本の強みを出して、世界をリードしなければならない分野に市場ニーズが急増しています。


リチウムイオン電池ラミネート搬送用ダブルプレスベルト(参考例)


 今後、このシームレスの極薄ステンレスベルトおよびロール基材は高機能フィルムのロールtoロールの製造技術などに求められる連続成形や描画、露光などの分野に、バッヂ式から連続金型として、ベルトやロール基材そのものの表面に微細なパターニングを施してナノ・インプリント連続金型としての用途にも耐えるよう、今なお、さらに多くの方々の技術アドバイスやご指導により製品の高機能化に取り組んでいるところです。

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