前回に続き、今回も『スチールベルトとは』シリーズで、パーフォレイションスチールベルトタイプをお話し致します。
今回はパーフォレイションスチールベルトの種類です。
そもそも、パーフォレイションとは映画用フィルム、カメラ用フィルムの両端に一定間隔で開けられている穴のことをいいます。
スチールベルトも同じように、ベルトの中央もしくは端部にピンをひっかけて送る穴を開けていますのでこのように呼んでいます。
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パーフォレイションスチールベルト
下の例は、今まで納入した多くの種類の中から代表的な穴開けの形状を選んだものです。多少、形状は省略しています。
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例1 送り穴(中央)と冶具取り付け穴
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例2 送り穴(両端)とワーク挿入穴
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例3 送り穴(両端)と吸引穴
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例4 送り穴(両端)とベルト母材切り込み折り曲げ立ち上げ
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例5 ベルト全面に吸引穴
例5を除いて、いずれも送り穴を中央または両端に開けています。
これらのベルトを送るプーリは、その外周にピンが設けてあり、ベルト穴にひっかけて送ります。そのプーリの名称がスプロケットプーリです。
従って、スチールベルトはスプロケットプーリに巻き付けられ、端部に開けられた穴にプーリの回転とともにピンが連続的に挿入されて送られます。
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スプロケット送りのイラスト
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スプロケットプーリ
しかし、スチールベルト送りの機構は複雑で、必ずしも引っ掛けた力のみで送られているわけではありません。
写真またはイラストのように、ピンを除いた曲率面でも摩擦力を受け動力伝達しています。
ピン穴がないフラットなスチールベルトの動力伝達の場合、滑らない張力値以上にスチールベルトを張らなければならないが、パーフォレイションスチールベルトの場合は滑らない張力値未満の張力にします。いわゆる張りすぎないことです。
つまり、パーフォレイションの場合は滑らない張力値以上に張ると、穴とピンが次第にずれて穴部が破損、しまいにはベルトが破断してしまうのです。
パーフォレイションタイプのスチールベルトはこの調整が重要なポイントです。
さて、パーフォレイションのスチールベルトはその素材が金属であり、他の樹脂・ゴムなどの平ベルト材質に比べて非常に高い剛性を有しています。従って、送り精度、平坦性、高温環境下、クリーン内、衛生などを必要とする用途に数多く使用されています。
今後もさらなるデータを取り、お客様に信頼される品質で納入させて頂きます。
次回の『スチールベルトとは』シリーズは『パーフォレイションスチールベルトの選定』についてです。
過去の スチールベルトとは (1) ベルトについて
スチールベルトとは (2) ベルトの種類その(1)
スチールベルトとは (3) ベルトの種類その(2)
スチールベルトとは (4) 設計アドバイス
もご覧ください。
今後もスチールベルトのディムコを宜しくお願い致します。