スチールベルト式オイルスキマーで浮上油回収 スチールベルトのディムコ

こんにちは。スチールベルトのディムコ、営業の太田です。

関東地方は、6月8日梅雨入りしました。これから7月半ばまで雨が続きますが、近年の傾向として各地に発生する局地的な豪雨による被害が心配です。
さて、以前も書きましたが今回もオイルスキマーについて書いてみます。

オイルスキマーは、水に浮かんだ油(浮上油)だけを回収する装置です。
その中でも回収効率が良く、最も普及しているのはエンドレスベルト式で、中でも取り扱いとベルトの耐久性が優れたスチールベルト式の疑問点について述べてみます。

下の図がスチールベルト式の概略図です。
上ドラムが回転することによりベルトが回転します。すると浮上油はスチールベルトに付着して上方に持ち上げられ、最高点に到達した後、下降してスクレーパで掻き取られます。

スチールベルト式オイルスキマー:概略図
スチールベルト式オイルスキマー 概略図


それではここから疑問点に付いて。

Q01浮上油(オイル)がスチールベルトに付着しているのに、スチールベルト滑ってしまわないの?
A01上ドラムのスチールベルトが接する部分のドラムの内側に永久磁石を円周に貼りつけています。また、スチールベルトは磁石にくっつく磁性体の素材で作ります。するとベルトは滑らずにドラムにくっつきながら回転します。

Q02 スチールベルトにどうして油は付着するの?
A02 物質を構成する分子、原子、あるいはイオン間に働く力は一般に分子間力と呼ばれています。物がくっつくのはこの分子間の引き合う力に由来するといわれています。油が金属に近づくと、この分子間の引力により急速に金属へ付着します。

Q03 浮上油が下ドラムに向かうスチールベルトにくっついて水中に入ってから上がってくるのはなぜ(概略図を見ると、油は下ドラムに向かっている)? 
A03スクレーパで掻き取られたスチールベルトの表面は浮上油の分子間力が飽和していません。従って浮上油がスチールベルトとの分子間力によりくっついて水中に入っても分離せず再び上がってきます。

Q04 テンション機構はいらないの?
A04 テンションは下ドラムの重さで吊り下げています。

Q05 どのくらいの高さまで上げられるの?
A05 実績では7mの高さまで上げています。

Q06 耐熱は?
A06 耐熱は80℃まで良いですが、機器の耐熱と、浮上油の粘度が低くなり、回収率が激減します。

Q07 回収量はどのくらいなの?
A07浮上油の粘度により変化します。一般に、粘度が高いと増え、低いほど少なくなります。

Q08 幅はどのくらいまであるの?
A08 300mmまでです。それ以上の場合はご相談ください。

Q09 吊り下げた下ドラムは外れて落ちないの?
A09脱輪、転倒して外れないように下ドラム、上ドラム共にツバ付きのプーリにします(概略図参照)。また、スチールベルトならではの特徴として、ベルトのエッジは剛性が高いので耳のほつれ等がなくスムーズに回転します。

Q10 スチールベルトの繋ぎ目には段差があるの?
A10 スチールベルトの端部を突き合わせて溶接しています。また特殊な平坦処理を行なっているので、指で擦っても溶接部がどこかわかりません。従ってスクレーパで引っかかることはありません。

今日はここまで。
今後もスチールベルトのディムコを宜しくお願い致します。

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