動く定盤について今日はご紹介します

スチールベルトのディムコ 専務の佐久間優です。

スチールベルトにはご存知の通り、たくさんの特性があります。
例えば、錆びない、汚れ難い、衛生的、耐熱、・・・・などなど。

それらの特性の中で、まさにこの時代だからこそと、お呼びが掛かっているものがあります。
この時代とはどんな時代のことか、と言われるかも知れませんが、フィルム全盛の時代です。
今や半導体も、電子部品もディスプレイも、街の広告も本も、そして照明もフィルムの時代の到来です。
ところが、液晶パネルや有機ELなどの情報家電は韓国をはじめ東アジアの国に席捲されていますが、液晶の中に搭載されている光学フィルムなどの電子材料の数々は、有り難いことに、製造技術的には日本が世界をリードしていて、特に、光学的な高機能フィルムは日本のお家芸です。

とは言いながら、この業界のトップを走る日本も、実は、韓国をはじめアジアの猛追を許しているのですが、そのフィルムの時代に勝ち残るための日本のキーワードは「ロールtoロール」です。
これは、プラスチックフィルムを製造する際に、成形しながら一枚一枚のシートに裁断してから仕事をしていたものを、反物の巻き出しから巻き取りの連続のように、検査、組立て、ラミネートなどフィルムを搬送する間に搬送技術を高度化する方法です。
この技術に立ち遅れないことが、付加価値を増して高速量産に対応し、アジアの猛追をかわすというチャレンジに他なりません。

しかし、ペラペラのフィルムをきちんと搬送することで精一杯の実状ですが、この搬送している間に今までは何もできなかったのです。
そこでこの問題の解決に一躍を担うことができるのが、スチールベルトということなのです。

では、どのように?

英語で申しますと、“Dead Flat”(真っ平ら)ということですが、スチールベルトは張力を掛けて、ずん、と引っ張ると上下動が髪の毛の細ささえもないほどの平坦度をディムコのスチールベルト技術では実現できるのです。
様々な搬送工程で、樹脂やゴムのベルトやローラの面がフラットにはならない、という世の中の常識をひっくり返すほどの新製品として非常に熱い視線をフィルムの業界から戴いて、わが社の技術部が課題解決を実現して、今年デビューしたのが「動く定盤」とも言える「吸着ベルトシステム」です。

どうして真っ平らかと申しますと、スチールベルト表面には微細な孔が開いていて、その孔から吸引され、ベルトの面に載せたシート状のものがピタッとベルト面に張り付きながら、真っ平らになってベルト搬送されます。


レーザで上下のバタツキを計測中




吸着、吸引コンベヤ


ロールtoロールのスピードに追随しながら、その真っ平らな上で、印刷したり、インクジェットで描画したり、ラミネートしたり、貼り合わせたり、CCDカメラで検査、測定したりすることができます。

是非一度、お試し戴ければとご案内致します。お試し運転なども大歓迎ですからの皆様のお取り扱いになられているフィルムやシートものをお持ちになっての試運転大歓迎です。
弊社の横浜の金沢区福浦にある研究センターでお待ちしています。

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